外角が遠そうなドミンゲス。守備のミスも目立ちはじめズルズル…
岸の前に完封負けを喫した。試合展開云々の前に、GW中に昇格してきたドミンゲスの打撃を見た感想。
「外角が遠いなぁ…」
外国人打者特有のアグレッシブさに欠ける選手に思えた。1打席目、1-2と追い込まれた。
「岸ならチェンジアップを続けるか」
その通り、2球連続して外へのチェンジアップ。これを全く素振りなく見逃せていた。普通初対戦のピッチャーに対して追い込まれたら、振りそうなもんだが手を出さなかった。
「アメリカはチェンジアップ大国だから、意外と対応できるものなのか?」
フルカウントになると、
「こうなると真っすぐで勝負してくるかな?」
(真っすぐなら)甘くなればチャンスボールにもなるが、そこは岸。最高のコース「アウトロー」に投げ切り、ドミンゲスは見逃しの三振に倒れる。それにしても、全く反応してないことに気になる。こうなると、追い込まれてからのチェンジアップも「見極められていた」と言うより、「打ち気が足りない」というふうに解釈されてしまうだろう。結果を恐れて、積極性まで削ぎ取られているのか、とにかくあまりいい状態ではないことだけは「その1打席」を見るだけでも判った。
結局岸からヒットを打てたのは、初回の中村奨吾と藤岡の2本。8回にハーマンから今日昇格の翔平が1本出し、都合4安打で完封負けを喫した。
金森打法の弱点…。それは現役時代の井口で散々我々も判ってきたことだが、内角にブラッシュボールを投げられて以降、急激に調子を落とし、スランプが異様に長くなる傾向にあることだ。この状態になると「内を見せなくても、外に投げておけば大丈夫」になる。今の荻野貴司がそんな感じ。彼の場合、調子がいい時はいとも簡単に外のボールに対しても、三遊間を抜けるような当たりを打っていけるのだが、座標軸が狂いだしてくると、バットの軌道及び体の向き的には三遊間を向いているのに、ボールがシンに当たらないので一二塁方面に力ないゴロが転がっていくようになる。また体が完全に開くので、「走り出しが遅い」。稀代の俊足にも関わらず、一塁到達スピードがそれほど速く感じられない理由の一端に、この「打った後の態勢」が影響していると思う。
藤岡の打撃や走塁に関して、解説の高橋雅裕がまたテキトーなことを言っていた。無死からヒットで出塁した4回表。この虎の子の走者と「一番いいバッター」の組み合わせで「三振ゲッツー」という最悪な結果に終わった。足があるのに盗塁が3個止まりな理由の一つに「出塁率の問題もあると思いますが…」と言っていたが、藤岡の出塁率は.336あるので打率の割には高い方だろう。つまり3回に1回、結構な頻度で出塁しているのである。
盗塁死が3個あるので、盗塁を狙うタイミングが悪いのか、まだ投手のクセを盗みきれずスタートを切れてないことが多いといったところだろうか。
ところで出塁率を過分に評価するのも問題であることを述べよう。私はそれを構成する四球にも「四球の質」というものがあると考えている。たとえば藤岡を例にとってみよう。
- 走者ナシ 9個
- 走者1塁 1個
- 走者1,2塁 0個
- 走者1,3塁 0個
- 走者2塁 2個
- 走者2,3塁 1個
- 走者3塁 2個
- 満塁 0個
これを見て気づくことはあるだろうか?
実は走者を進める四球、「1進性(または2進性、3進性)四球」がまだ1個しか無いのだ。ほとんど走者がいない局面で取った四球か、塁をつめるように与えられた四球だ。これに関してはまたどこかで詳しく説明したいと思うが、四球ひとつ取っても「相手側の事情」が大きく異なるため「質」が違うと思うのだ。前の塁が詰まっている時に四球で出塁できても、重盗でも試みない限りは盗塁のチャンスは生まれない。また1.3塁で記録した盗塁は「盗塁の質」的に単独盗塁より1段も2段も落ちる。それらを同質な数字として扱う現代野球からは、「何にも見えてこない」とまで思っている。
ま、とにかく唯一得点の香りがしてくるコンビネーションの時にまで自らチャンスの芽を摘んでいては、こういう苦しい展開になるのも致し方無い。ただ今年を「走塁改革元年」と位置付けたのであれば有言実行していると評価しよう(今後パワー野球が全盛になっていく流れに逆行しているので、さほどの意味は持たないと思うんだけど…)。
そういう野球を推進していくには1点を守りきれる野球をしていかないとならないだろう。7回裏に試合の方が決壊したが、聖澤のレフト前ヒットはサードの鈴木大地が取らなければならない打球だった。取っていればゲッツーを取れていた可能性も高い。ここまで奇跡的に守備の破綻が少なかったが、GWの連戦のあたりから守備のミスが目立ち始めた。「記録に残らないミス」も、当事者側からしたら「唯事ではない」ものとして記憶に残る。再発防止をいかに防げるのか?同じようなミスが続いているので、ズルズルいきそうな雰囲気には既になっている。
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