オリックス暗黒野球をかぶりつきで
山本先発で2回表に幸先良く2点先制したバファローズ。ホームへ還ってきた吉田を迎えるベンチもこの時は明るかった。だが数時間後、彼らは自分たちの運命を思い知ることになる。
「山本由伸が投げれば大丈夫!僕らが守ってさえいなければ…」
昨日は前日に引き続きオリックス戦を観戦して参りました。内野自由から内野ベンチ上最前列へ移動、選手の表情がはっきりと判る席で楽しめました。
山本との同学年対決に燃えていた種市は力が入りすぎたのか、2回表に3安打を浴び2点を失いました。ただ、この後しっかり抑えきった事に成長を感じました。3回以降、2死からの安打や四球はありましたが、先頭打者を切り続ける事が出来た事で余裕が生まれました。
その山本由伸ですが、回の合間のキャッチボール見ただけで「これは違う…」と唸らざるをえない球筋です。実際18.44m間のスピードを体感出来る席だったんですが、とにかく速く感じる。昨日のMAX155キロですか…とても長いイニングを投げぬく先発投手が出す数値じゃありません。大谷翔平級じゃないですか!
アジャが力負けせず4回裏にチーム初安打となる一発を放つんですが、正直連打を浴びる姿が想像出来ない投手です。5回藤岡が0-1からのカウントを取りに来る甘いカーブを捉え同点。これはかなりバッターを舐めている配球に思えました。その前の吉田なんかはバットに当たる気配もないような三球三振でしたから、少しマリーンズ下位打線を見くびっていたような気がします。
しかし6回裏に、このアンポンタンズ達がやってくれます!
アンポンタンの先陣を切る「アン」役の小島。とにかく雰囲気が暗いです。疫病神感MAXです。彼がクリーンアップを任され、内野手なのにライトを守らされている事自体「暗黒野球」の最たるものだと感じております。さすが西村さんです。「落合いなくなったから4番は古川でいいや」的な川崎ロッテの面影を引きずっている人選です。暗黒野球の伝統がここに受け継がれている事を確認出来、目頭が熱くなりました。
そうそう、この席ですが、「次の次」の打者がスタンバイしている頭が見える席でした。メットが写っているのは背番号からもお判り頂けるかと思いますが「タン」役のT-岡田です。勝負を決定づける2点タイムリーエラーをしでかしておりました。とにかく打席に立っていても雰囲気が無く、バットとボールの距離が離れすぎている空振りを何回も見ました。一応ホームラン王経験者ですが、今の打てない、守れないT-岡田を見てオリックスファンもヤキモキしているでしょう。ちなみにファーストの守備位置へ就く時は誰よりも早くベンチを飛び出し全力疾走。そこは好感持てました。
凡退してベンチへ還ってくる選手の表情が間近に感じ取れる席です。既に大勢が決した状態で代打に送られた山足が松永に好捕され、ピッチャーゴロに終わって帰ってきた時、表情は無表情だったのにベンチの中で
「クソッ!」
と大声で叫んでいたのには、やはり野球選手、野球を商売にしている人なんだと感じました。どんな試合状況でも1軍の1打席がかなり重たいものであることが伺えました。(暗黒野球でも選手は必死にもがいているんだなぁ…)
6回裏清田の決勝タイムリーの後、レアードがセンター前へダメ押しのタイムリーを放っておりましたが、やはり3-0からでしたね!3-0からはかなりの確率で振ってくるレアード。いかなる状況でもファーストストライクを見逃さない。この姿勢こそがプロ野球選手です。
山本の凄さと、オリックスの暗黒野球の凄みが強烈すぎた試合…かぶりつきで堪能させて頂きました。6回裏、インフィールドフライですらも落としている光景を目の当たりにし、
「審判に助けてもらわないとアウトに出来ないのか、このチームは…審判のいない草野球だったら、このイニング永遠に終わりそうもない」
とさえ感じました。
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