エラーが失点に結びつく野球の恐さを、まざまざと見せつけられるゲームでしたね。9対7という最終スコアだけど、両軍投手陣の自責点は5対5だったので、合計6点はエラー絡みとも言える内容だった。
マリーンズの方はマーティンがイージーフライをまさかの捕球ミスで走者3塁まで進めさせ、5回表はこれが発端で3点失った。その後つるべ打ちを食らう佐々木。発端となったマーティンが最後、和田のライト前ヒットを処理してバックホーム、2塁走者の渡邊を刺した。驚くほど正確で強いボールをホームに返す。
NPB初安打前に2捕殺
の外国人選手って過去にいたのかしら？と、どうでもいい事が頭をよぎる。
それにしても佐々木。今回もアバウトなコントロールで、かなり甘めのコースでカウントを取っているなと初回から4回を見て思ってきていたのだが、5回にそこら辺を完全に狙われた。特に4番ウィーラー、5番銀次、6番渡邊と3者連続初球を打ったのだから…入り球が課題。ピンチを迎えると140キロ台のボールも投げ始めるので、あえてセーブして放っているんだろうけど、あの球速で簡単に高目でストライクを取りに行こうとする姿勢が判らん…ベース板の真正面からボールを入れるのではなく、脇からゾーンにこじ入れるように投げているとは思うが、そこまで横の角度を打者に感じさせられている投球には見えず、打ちやすいボールを配給してるとしか思えない。

マリーンズの方は森原の球威、角度に押されまくったけど、要所でウィーラーがエラーしまくってくれたおかげで試合になった。特に最初の2つは、完全にゲッツーコースの当たり。チェンジで終わるはずが1死のまま攻撃続行ではピッチャーたまらん。最後のも、チェンジだと思ったところからのやらかしだから、ピッチャーも集中力が切れやすいところだった。その後4連打…ウィーラーのエラーが0～1個だけだったらマリーンズに勝機は無かった試合だったかも。日本人選手だったら2個目の後ぐらいに「懲罰交代」が待ってそうだけど、ウィーラーは8回表にヒットで出塁して、ようやく「お役御免」。その瞬間イーグルスファンはほっと胸をなで下ろしていたことでしょう（笑）
さて失策ではないんだけど、捕逸を1個記録していた細川のキャッチングについて、ちょっと詳細に語りたい。
7回から登場。勝利の継投に入った途端の起用という事は結構責任重大。構え方はさすが。ピッチャーが投げやすいようにデカい図体をかがめるように低く構える。1死後、渡邊を三振に取った時、3-1からのアウトコースの真っすぐは「ボール」と判定されてもおかしくないところを、細川のミットさばきの巧さでストライクをもぎ取った形になり、三振に繋げられた。際どいコースのボールをあえてミットを内側に動かしたりせずに、ずっとその場所から動かさないことによって審判にストライクと言わせる…ヘタな若手は内側に動かしよるからね。
ところが調子に乗ったのか、和田へフォアボールを与えた後、続く嶋の時の3球目にパスボールしてしまい、スコアリングポジションに走者を送られてしまった。2球目にボール判定された時に、実は細川が松永に「ワリィ」と謝る仕草を見せていた事を私は見逃さなかった。せっかく要所でキャッチングでストライクをもぎ取っていたのに、1球目2球目とセルフジャッチで簡単にボール・ストライクを決めつけ、非常に雑な取り方をしていたのである。ミットを構え続けてアピールするようなこともなく、すぐに返球動作に移っていた。おそらく2球目は完全にストライクと思い込んで、すぐに投手に返そうとしたところ「ボール」と言われて、「ワリィ」となったのだろう。3球目はそこに意識を高めてくるだろうと思っていたら、捕逸した（笑）つまり、ずっとミットを動かさないようにしなければ…という意識が高すぎて、肝心のボールを取り損ねたのである。また網の部分が不必要なくらい離れていて「遊び」の部分が広く、あの辺で捕球した時はこぼしやすい構造をしたミットだなぁとも思った。細川捕逸の真相はそんなところ。次の回もその網をはじかれるように取り損ねて、そのボールが球審の股付近に当たった時は「奴流のリベンジか？」とも思っちゃいました。
ただやっぱ、8回山崎に初球スチールを決められ、フットワーク及び2塁送球は相当厳しいと感じた。あれで唐川はホームランだけじゃなくて「ヒットもダメ」に追い込まれて浅村と対峙しなければならなくなったからなぁ…。

8回裏、細川の打順のところで清田が用意していたが、先頭の奨吾がヒットで出塁したことによって「細川続打」。十八番のバントを披露する時がついにやって参りました。真ん中付近のやりやすい球だったとは言え、さすがの殺し方。細川全盛期、マリーンズに在籍していた今江も送りバントがうまいと思ったけど「細川には敵わないな」と思っていた。通算犠打数がこれで295。300まで、あと5個と迫っている。300犠打はNPBではたったの6人だけ。川相を筆頭に、平野、宮本、伊東勤、田中浩康、新井と名うてのバンターだけが到達できた金字塔。
その送りバントを元に、マーティン加入でスタメンを外された清田が「技術より気持ち」のタイムリーを放ち、マーティンが仕上げた。逆方向への完璧な当たり。いいスイングをしていれば、あっち方向へも打球は飛ぶ。
ビッグフライ、マーティンサン！
いや、これは期待するなというのが無理なくらいの優良外人を、この時期に引っ張り込んで来ましたね。構えはデリック・メイに似てるな。マリーンズに15年以上前に在籍して30本塁打も記録した選手だけど、彼はノーステップ打法だったなぁ…マーティンはしっかりステップしてタイミングを取っているね。追い込まれてからも、ストライクからボールになるような変化球を見極められているし、NPB適応力は相当高そう。

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