野手の「球際の強さ」を感じさせる締まった好ゲームだった

8/16 京セラドーム大阪 ロッテ 1ー2 オリックス  視聴方法:RakutenTV パ・リーグSpecial 

昨日の試合は結果はともかく、内容的に「これぞまさにプロ野球」とも言うべき好守の連発で、「打撃戦もいいけど、こういうのもいいね」と素直に思えた試合だったかもしれない。先発のアルバース、西野、両投手ともに素晴らしい投球だったので、それに野手陣が引っ張られた形だ。
でも個人的に一番印象に残ってしまった場面は…。2死満塁のピンチで相手主将の福田を打席に迎えた場面で、追い込んだ後、田村がミットを低めに構えながら、そのミットで地面を軽くポンポンと叩きながらも、西野が投じたボールが
真っすぐ
だったこと。うーん、これはどうなんでしょう?あれ「ワンバンでもいいんだぞ」というゼスチュアに見せかけて、その実、後ろを振り返れない打者にわざと聴かせるトリックプレーの一種だろうから、非常にこすっからいというか…。問い詰めれば「真っすぐでもワンバンになってもいいぐらい低目に来い、という事」と開き直るかもしれないが、普通に考えると変化球、西野で対左ということであれば、十中八九フォークを想定させるようなゼスチュアだったし…。
まあまあ昨日両投手が好投した最大要因が真っすぐが走っていて、結構コースに決まることが多かったためだったことは間違いない。変化球カウント、追い込んだ後で結構真っすぐで押してきて、打者が差し込まれる事が多かった。この辺が打者側がボールを絞り込めず苦戦した要因。

素晴らしかったプレーを上げれば、ざっと思いつくだけでも2回の大地のサードファールフライをフェンスから乗り出して取ったものや、5回の奨吾のダイビングキャッチからのグラブトスによる併殺完成、相手側では3回表の吉田正尚のダイビングキャッチが印象に残った。すべて意味のある「時間帯」に生まれたプレーでもあった。大地の三邪飛好捕は1死1,2塁、連続安打を浴びた直後に飛び出したプレーで、投手を勇気づける「どんな打球でもあきらめず取ってやるぞ」というメッセージすら感じる気迫あふれるものだった。奨吾のは無死1,3塁で、「1点はしょうがないけど、出来れば併殺を取りたい」という中間守備で、福田の球足の速い打球に飛び込んで好捕した後、平沢がベースに入るドンピシャのタイミングでグラブトスで正確にボールを渡せた。取るのとグラブトス、Wで凄かった、今年イのいちとも思えるような凄いプレー。ただ3塁走者を返してしまっているので、シチュエーション的に印象度が薄くなってしまったかも。でも、あれが抜けていたり、トスの方がうまく行かなかったら、1点では済まない回になっていたかも。
オリックス側もアルバースのクイック気味に来る投球で守りやすかったのか、味方が先制した直後の先頭打者奨吾のヒット性のあたりをレフト吉田が横に飛んで掴みきった。あれ抜けていればツーベースだっただろうから、先制直後の無死2塁となれば試合の流れは変わっていた可能性が高い。吉田って、守備はそれほどウマい方ではないと思うんだが、こういう飛び込んで取るシーンをちょくちょく見かける。球際に強い選手という印象が強い。
あと、井上が打ったイージーゴロを捕球した安達が余裕ぶっこいて、ファーストに大悪投したシーンがあったんだが、投げた瞬間、
「やらかしやがった!」
と喜んだら、カメラが切り替わると、そこには2m超の大男がジャンプしてそれを取り押さえる絵が…おそらく長身のモヤじゃなければ飛びついても取れないボールだったのでは?

マリーンズはアルバースを全く攻略出来ず、7回3本のヒットしか生まれなかった。増井に代わった途端、清田のバックスクリーン弾が飛び出し、9回もディクソンに対して1死1,2塁と攻め込むが、あと1本が出なかった。9回先頭の平沢のところで代打三家が送られるのだが、「あれ、ここは角中じゃないんだ…」と思ったら走者が溜ってから角中というカードを切ってきた。これは一番大事な場面まで角中を取っておこうという考えからか?それとも単純に、先頭打者で塁に出る役割なら三家の方が有望という選択だったのか。とにかく三家に対するベンチの期待感は日に日に強くなってることを感じる。マリーンズに入ってきた経緯からか、1打席に賭ける「思い」がどうしても他の選手より強く見えてしまうし、首脳陣もそこに賭けているのだろう。打席でのフォームは角中に寄せてきているような感じだ。オープン気味に低く構え、あらゆるボールに対応しようという心構えが見える。実際角中の「変態打ち」みたいなファールも1球あったし(笑)ディクソンの内側低目に食い込んでくるナックルカーブを、ファールで逃がれた。本家の方も同様にナックルカーブはファール出来ていたので、三家、角中共に高目の真っすぐという力技で抑え込まれた。
残念だったのは先制された場面でのマーティン。取れそうな安達の放ったフラフラと上がった前方のフライを、目測を見誤ったのか、打球が落ちる座標軸に最短距離最速で入れていなかったような気がする(スタートの場面は見れていないので、なんとも言えないが)。あと6回表の先頭奨吾のツーベースの後の田村がフライを打ち上げてしまって、3塁に送れなかったのも痛い。アルバース相手には2塁に走者を送れたこと自体、このイニングしか無かったのだから殆どノーチャンスだった。打撃好調の田村だったのでベンチが好き勝手に打たせたのだが、ここはバントでもいい位の場面だったと思う。続く平沢が左なので、そこまで期待出来ないので、田村のタイムリーを期待したのか?ただアルバースは1打席目の平沢には投げづらそうにしていた。これは右バッターが5人続く反動もあったと思う。(平沢が)四球で荻野につなぎ、1死1,3塁という最高の形を取れたかもしれないし。
まあまあ、こんな事をいろいろと考えさせてくれる、締まったナイスゲームでした。星を落としたことは最高に痛いけど…なんでもこの前の西武オリックス戦の中継をニッポン放送で担当した暴君が「オリックスは次のロッテ戦で3連勝したらCSも見えてくるでしょう」と試合後にコメントしていたらしい!それだけはなんとしても避けなければいけない。

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