mansengo則本を2回でKOして、いい方の「想定外」とも言うべき序盤の4点リード。しかし今の野球で序盤の4点なんて全く安心できない差でしかない。3回裏にアウトカウントを取りに行くことを優先に2塁走者の「もしかして暴走？」とも言うべき飛び出しを、ピッチャーの小島が咎めず三進を許し、ファーストで安全にアウトを取りに行ったあたりから、きな臭いものを感じ始めていた。この走者をワイルドピッチでの生還を許すわけだから、小島があげた1点とも言える。すると4回裏に又もブラッシュに一発を浴び、あっちゅう間に1点差。ブラッシュの一発は完璧だったが、1塁走者浅村のヒットはライト前にフラフラと上がった当たりで、俊足の岡が逆シングルで取りに行くも一歩及ばず許した走者だった。3点取られているんだけど「1点で済んでない？」とも思える4対3という状況に、逆転は時間の問題とさえ感じられた。
5回裏なんかは典型的失点しそうなパターンだった。1死後9番の太田にセンター前ヒットを浴びると、続く茂木に絶妙な3塁線セフティーを決められる。大地が取って投げても間に合わないと見送ると、ボールは3塁ベースに当たる。そして1死1，2塁で迎えた直近5試合で3試合のマルチヒットを記録している絶好調の島内に対して、カウント3-0としてしまう。もう失点するのは当たり前、ヘタすりゃ逆転まであるんじゃないかと思えるような空気になった。
ところがここから小島が粘った。全て外の真っすぐで島内を見逃し三振に。同じ3-2でも3-0からなった3-2と、0-2からなった3-2では後者の方であれば投手に分があるというのが私の持論（カウント推移）なんですが、今回は3-0からなった3-2なので、まだ打者に分があると見ていた。その状況で当てにいくのが巧い島内が手が出ないようなところに決めきれた小島の真っすぐのキレ、制球に驚嘆する。それでもまだツーアウト。更なる難敵浅村を前に、やはりカウント2-0にしてしまう。ここからインサイドに突っ込む、ツッコム。カットボールを投じファウルでワンストライク稼ぐと、次のボールは高目に外れて3-1。先程ホームランを浴びているブラッシュの前に浅村を歩かせてしまうと2死満塁という願っても無いチャンスを相手に与えてしまう。そういうプレッシャーの中で投じた5球目のボールは外高目の完全なボール球。これを浅村がスイングしてくれて、3-2まで行く。ラッキーなようにも思えるが、2球内側に突っ込んだからこそ稼げたストライクにも見えた。そしてフルカウントから、またまたインサイドの真っすぐで勝負に行き、浅村からも見逃し三振を奪って、自らの勝利投手の権利も守った。
いや、この島内、浅村に対する小島の投球は痺れました。そこまで1個しか三振を奪っていなかった小島が、一番大事な場面で、好調の上位2人から連続見逃し三振を奪うんだから…打者に向かっていけてる姿勢を当ブログではここまで高く評価してきましたが、まさにそんな彼の向こうっ気を垣間見た5回裏の投球だった。
とにかく中盤以降は流れはずっとイーグルスにあったんだけど、6回裏にスクイズで加点出来た事が大きかった。則本の後を受けてロングリリーフの役目を担っていた戸村に対して、1死後岡が四球を選ぶと、続く田村がセフティーバント。投手と捕手どっちが取るか判らないような場所に転がすと、処理した戸村が慌てて1塁に投げると、ファーストの和田も前に出てきていたため、誰も1塁に入っていなかったという事態になり、マリーンズは望外の1死2，3塁のチャンスを得た。1死だったからという事もあるんだろうけど、イーグルスの内野陣の連携が乱れるところを狙った意表を突いたセフティーだった。そして続く平沢もバント。こちらはカウント2-1の4球目、ファーストストライクに対してはスイングしている状況でのスクイズバントだった。3塁走者の岡もスタートを遅らせ、相手側にバントの構えをするところまで悟られなかった。平沢もよく宋家豪の高目のボールゾーンの力強い真っすぐをバットに当て、フェアゾーンに転がした。相手の守備の隙を衝く2連続バントが決まって、マリーンズが貴重な追加点を挙げた。
その後8回裏に、東條、松永が任されるイニングに1点を失うが、9回益田が締めて、なんとか逃げ切れた。8回は東妻という訳ではなく、状況に応じて、東條、松永というところを使い分けていきそうだ。しかし勝ち試合なのに、6回7回をチェン1人に全てしょいこませている野球ではおぼつかないぞ。チェンは2イニング連続先頭打者を出塁させたものの、なんとか粘って0で凌いだ。というよりイーグルスの攻撃が前日に続いて拙かったか。（7回は）先頭の下水流にヒットを許すも、続く太田のカウント2-2の時に下水流が盗塁失敗。単独は考えにくいシチュエーションだったので、太田が2日連続サインの見逃しをしたっぽかった。もっとも、あのボールは当てろと言われても当てるのも難しそうなコースのボールだったが…空振りで走者の進塁を助けようとしていれば2塁はどうだったか？多分アウトのタイミングなので、いずれにせよ、あそこで仕掛けた事時点で失敗に終わっていただろう。あの辺で流れがマリーンズに再び傾きかけたかな？
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